商品情報にスキップ
1 1

推し、燃ゆ  宇佐美りん 河出書房新社 2020年刊

推し、燃ゆ  宇佐美りん 河出書房新社 2020年刊

通常価格 ¥600
通常価格 セール価格 ¥600
セール 売り切れ

人ははなぜ「推す」ことに惹かれるのか

この小説を読んで感じたのは、「推し活」という現象を単純に肯定も否定もしない作品だということでした。

登場人物たちは誰も「推し活」についてはっきりと評価を下すことはありません。作中ではただ、主人公のあかりが「推し」に向ける強い思いが、彼女自身の視点から一貫して描かれていきます。

学校や社会の中でうまく生きることができない彼女にとって、「推し」は自分の存在を支える大切なものでもあります。推しを応援することによって、自分がここにいる意味をかろうじて確かめているようにも見えます

一方で、この作品に登場する人々はどこか疲れているようにも見えます。それぞれが孤独を抱えながら日常を生きており、主人公のあかりもまたその空気の中に身を置いています。

「推し活」という言葉は、今では明るく前向きな趣味のようにも語られます。しかしこの小説は、その熱量の奥にある感情や孤独にも静かに目を向けています。

人はなぜ、誰かを「推す」ことにこれほど強く惹きつけられるのでしょうか。その答えは、この物語の中でははっきり語られません。ただ読み終えたとき、その問いが読者にそっと残されるような作品だと感じました。

商品タイプ
数量
詳細を表示する