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網野善彦対談集「日本」をめぐって 著: 網野善彦   田中優子 樺山紘一 成田龍一 三浦雅士 姜尚中 小熊英二 講談社 2008年刊

網野善彦対談集「日本」をめぐって 著: 網野善彦   田中優子 樺山紘一 成田龍一 三浦雅士 姜尚中 小熊英二 講談社 2008年刊

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店長おすすめ本

       学問とは、自由に問いを立て、

       あらゆるものと「対話」し続けることかもしれない。


本書は、網野善彦氏の学者としての足跡と、日本史中世を中心とした知見を手がかりに、多方面の研究者との対話を通して、その歴史観のひろがりと深さに触れていく意欲的な対談集です。

田中優子の章では、農民や漁民の暮らし、労働や交易といった具体的な営みから歴史を捉え直す視点が共有され、教科書で見慣れた歴史の風景が地べたから組み替えられていく感覚が静かに立ち上がります。

姜尚中の章は一見すると異種格闘技戦のような趣を帯びながらも、江戸という時代を手がかりに、近代国家やナショナリズムをめぐる問いへと必然的に連なり、歴史の対話でありながら現在の私たち自身の立ち位置を問い返してきます。

そして小熊英二の章では、網野善彦の研究の歩みをたどりながら、歴史をどのような枠組みで語ってきたのかが問い直され、抽象的で読みやすいとは言えないものの、歴史を大きな構造として考えたい読者にとって、教科書では決して出会えない射程をもつ対話が展開されています。

理解を急がず、対話を通して歴史の奥行きに触れていくことで、教科書の向こう側にある風景へと私たちを誘ってくれる一冊です。

 

店長評価

読みやすさ:★★★
対談形式のため、専門的なテーマも言葉が優しい。

編集との接続性:★★★★
日本史の前提を問い直す視点が、歴史総合と非常に相性が良い。

思考の広がり:★★★★★
歴史・社会・思想が横断的につながる。

独自性:★★★★★
複数分野の論客との対話により、単著にはない立体感がある。

学び直し適性:★★★★☆
大人の学び直しに特に向く一冊。

I総合評価 4.4

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